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【ビジネス法務】契約解除の実務

コラム2019/8/9

『ビジネス法務』2019年8月号の特集は「トラブルを避け、解決に導く契約解除の実務」です。「契約解除」にまつわる実務は、ビジネス法務のなかでも特に難しい分野です。法務部員には、契約締結の段階で自社にとって不利にならない解決条項を定めることはもちろん、実際の解除・解約の場面においても、のちにトラブルが発生・拡大しないように対応する能力が求められるからです。今回の特集では、突発的な「契約解除」にも対応し得る実務について紹介されています。

 

内容としては、

  • ・法規制と解除の要件・効果を確認する、「契約解除」の基本的留意点と実務ポイント
    ・契約類型ごとの特徴を押さえる、解除条項・中途解約条項起案の際の留意点
    ・非常時に備えての一工夫、英文契約書における解除条項のドラフティング
    ・トラブルの発生・拡大を防ぐ、契約解除時の法務部員の心得
    ・解除事由の具体化が鍵、システム開発契約における紛争解決条項の検討
    ・座談会として、法務部はいつ・どのように関与すべきか? システム開発契約における解除の手法とタイミング

以上の解説があります。

 

<太田・小幡綜合法律事務所の弁護士解説>

契約関係を終了させる方法として,契約の解除という手段が採られる例は,実務上多く見られます。一方的に解除をする権利である「解除権」の発生原因が,法律の規定によるのか契約上の合意によるのかにより,「法定解除」と「約定解除」に区別されるほか,解除権がない場合であっても,契約当事者双方の合意により解除する「合意解除」も考えられます。

解除の交渉に失敗し訴訟へ移行すると,時間もお金もかかり,円満に解除ができた場合に比べ多大なコストを要します。本稿では,契約解除交渉に関する現場の留意点について,著者の経験に基づいて解説されており,契約期間の途中で解除する場合や満期終了に関する現場のノウハウを知ることができます。

例えば,交渉では,まず担当者だけで相手方を訪問して解除の意向を伝えた後,事業部門の責任者と法務担当者で訪問するという,段階的な交渉をすることや,即時の解約について合意できない場合には,一定期間に限った延長という代替案による合意を目指し,さらに,合意については簡易な覚書によるのではなく,終期を明確化した契約書を作成することなどが紹介されております。

契約解除に際してのコストを回避するという観点から,注意すべきポイントを確認するために有意義と存じますので,この機会に是非,ご一読ください。


(弁護士 菊地 紘介)




協力:中央経済社
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