コラム

column

【ビジネス法務】改正民事執行法の概要と企業実務への影響

コラム2019/8/23

『ビジネス法務』2019年8月号の「実務解説」記事では、「改正民事執行法の概要と企業実務への影響」が取り上げられています。今回の改正法においては、民事裁判制度に対する国民の信頼を確保することなどを主な目的として、民事執行法に大幅な改正が加えられました。結果、今後の企業法務に与える影響も少なくないと見られています。今回の解説では、債務者の財産状況の調査に関わる改正部分を中心にポイントが解説されています。

 

見出しは次のとおりです。

  • Ⅰ 債務者の財産状況の情報調査に関する法改正の経緯
    1 問題の所在
    2 2つの方向による債権者の財産状況の調査に係る制度の強化

    Ⅱ 債務者からの財産開示手続の改正
    1 改正前の財産開示手続の問題点
    2 申立権者の範囲の拡大
    3 不出頭等に対する罰則強化
    4 改正法下における財産開示手続

    Ⅲ 第三者からの債務者財産に関する情報取得制度の創設
    1 創設に向けた議論の経緯
    2 第三者からの情報取得手続の概要
    3 情報取得の容認決定後の手続等

    Ⅳ その他の改正
    1 債権執行事件の終了をめぐる規律の見直し
    2 差押禁止債権をめぐる規律の見直し

    Ⅴ 企業法務に対する改正法の影響

    Ⅵ 今後の課題〜むすびに代えて

以上の解説があります。

 

<太田・小幡綜合法律事務所の弁護士解説>


令和元年5月10日,民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第2号)が成立し(同月17日公布),原則として公布の日から1年以内の政令で定める日から施行されることが予定されています(以上につき,法務省HP(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00247.html)。
例えば,取引先が売掛金を支払わない場合,交渉で功を奏しなければ,訴訟提起をして,勝訴判決か和解調書を得なければなりませんが,これらを得たからといって支払いを受けられることが確約されたわけではなく,相手方が勝訴判決や和解調書による任意に支払わなければ,民事執行法に基づいた強制執行手続によって弁済を受けなければなりません。
しかしながら,強制執行手続では,債権者が債務者の財産を特定して差押えの申立てをしなければならないことから,債務者の財産を調査する必要がありますが,容易なことではありません。
これまでの民事執行法上の財産開示手続等は,非常に実効性の低いもので使い勝手が悪かったのですが,今回の民事執行法の改正により,①債務者に対する財産開示手続や,②登記所,市町村,日本年金機構,金融機関等からの財産情報取得制度について,現行民事執行法よりも,財産調査の実効性を上げるものとなりました(もっとも,まだ残された問題点もあります。)。
債権の回収は,企業法務の重要な業務の一つでありますので,是非この機会に本稿をご一読ください。


(弁護士 京谷 周)




協力:中央経済社
公式サイト(http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/)

Copyright © 2017 Ohta Obata Sogo Law Office All rights reserved.