コラム

column

【ビジネス法務】訴訟手続の基本(民事編)〜訴訟提起に至るまで

コラム2019/10/10

『ビジネス法務』2019年10月号の新連載、「ストーリーでわかる 訴訟手続の基本(民事編) 第1回 訴訟提起に至るまで」がスタートしました。

一定以上の規模を有する企業にとって民事訴訟の当事者となることはそう珍しいことではありません。従業員個人という視点で見れば、その職務において民事訴訟に深く関与するのは法務セクションの担当者などごく一部の従業員のみでしょう。しかも、その一部の従業員ですら人事異動があるため、解決まで年単位の期間を要することが多い民事訴訟に、最初から最後まで携わることは少ないように思われます。これが刑事訴訟となると、ますますもってレアケース。手続きの流れを十分に知っている人間は、法務セクションにもあまりいないのが現状ではないでしょうか。本連載では、民事・刑事訴訟の全体像について、ある具体的なストーリーを設定し、その進展を追う形で、各局面における訴訟手続きの概要や実務的な留意点を解説しています。

 

内容は下記のとおりです。

  • Ⅰ 民事訴訟を提起することの意味

    Ⅱ 訴訟提起の当否を検討する際の考慮要素

    Ⅲ 訴訟提起に要する費用

    Ⅳ 訴訟の大まかな流れと期間

    Ⅴ 訴訟を提起する裁判所
  •  

 

<太田・小幡綜合法律事務所の弁護士解説>


本稿では、訴訟を提起する目的や、提訴するかの判断に際しての検討要素、訴訟の大まかな流れ等について解説されております。
まず訴訟とは、いうなれば、「債務名義」(強制執行をする際に必要な書類)である判決書を得るための手続といえます。提訴するかの判断要素に関しては、特に重要なものとして(1)勝訴可能性、(2)相手の支払能力、(3)提訴費用、(4)訴訟外の和解可能性が挙げられております。
提訴費用としては、獲得しようとする利益の額に応じた申立手数料のほか、裁判所が訴訟関係書類を当事者に送るための郵便切手の予納、弁護士報酬等が挙げられます。これらの費用がかかるという性質上、(1)及び(3)の観点での検討を要します。また、前述のとおり債務名義獲得のための手続きである以上、強制執行の対象となる財産がない場合には、(2)の観点から提訴するメリットに乏しいと言わざるを得ません。さらに、訴訟により紛争が深刻化することによる取引先等との関係悪化やレピュテーションリスクも事前に考慮する必要があり、(4)の観点も重要なものといえます。
一般的には接する機会が多いものではない訴訟に関する簡潔なまとめとなっており、訴訟というものの大まかなイメージをつかむのに有用なのではないかと存じます。
この機会に是非ご一読ください。


(弁護士 菊地 紘介)


協力:中央経済社
公式サイト(http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/)

Copyright © 2017 Ohta Obata Sogo Law Office All rights reserved.