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【ビジネス法務】コンビニオーナーの「労働者性」

コラム2019/10/21

『ビジネス法務』2019年10月号の「実務解説」では、中央労働委員会の判断基準にみる「コンビニオーナーの『労働者性』」について取り上げられています。コンビニ業界においては現在、労働法において加盟者側の保護を図るべきかということが課題であり、本文でその解説がなされています。

 

内容は下記のとおりです。

  • Ⅰ中央労働委員会による命令の事案
    Ⅱ一般的なFC契約とコンビニのFC契約
    Ⅲ労働法上の「労働者」とは
    Ⅳ中央労働委員会の判断
    Ⅴ加盟者団体とFC本部との団体交渉についてのルールづくり

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<太田・小幡綜合法律事務所の弁護士解説>


平成31年3月、中央労働委員会は、コンビニエンスストアのフランチャイズ加盟店を経営する加盟者は、労働組合法上の「労働者」にあたらないとし、加盟者側の組合が求めていた団体交渉にコンビニ本部側が応じる必要性はないと判断しました。
そして、中央労働委員会は、かかる判断の前提として、加盟者が労働組合法上の「労働者」に該当するかどうかの判断につき、労働組合法の適用を受ける労働者は、労働契約法や労働基準法上の労働契約によって労務を供給する者のみならず、労働契約に類する契約によって労務を供給して収入を得る者で、労働契約下にある者と同様に使用者との交渉上の対等性を確保するために労働組合法の保護を及ぼすことが必要かつ適切と認められる者を含む、と基準を示しています。
以上を踏まえて、中央労働委員会は、加盟者は、本部の事業活動に不可欠な労働力として本部の事業組織に組み入れられていないこと、フランチャイズ契約の内容は本部により一方的かつ定型的に決定されているが加盟者による店舗経営という事業活動の態様について規定しているだけであるとみるべきこと、加盟者が本部から受領する金員は加盟者の労務供給に対する報酬としての性格を有しないこと、加盟者は独立した経営判断をなし得ることなどから、加盟者は労働組合法上の「労働者」には当たらないと結論付けています。
本稿では、上記判断過程につき詳細に解説がなされていますので、特にフランチャイズ契約を締結していたり、これから検討されている方は、この機会にご一読いただければと思います。
なお、本稿で取り上げられている事例はコンビニフランチャイズにおける加盟店の労働者性に関するものですが、この点に関連して、労働者なのか業務委託(法律上の請負又は(準)委任)なのかという、いわゆる偽装請負となっていないかについても、近年問題となっていますので、見直しされてみてはいかがでしょうか。



(弁護士 京谷 周)


協力:中央経済社
公式サイト(http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/)

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