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【ビジネス法務】多様な働き方における「労働時間」該当性と管理のあり方

コラム2020/3/30

『ビジネス法務』2020年3月号の「特集2」は「多様な働き方における『労働時間』該当性と管理のあり方」です。働き方改革関連法により、日本の法律上はじめて罰則付きで時間外労働時間数の上限が設定されました。本解説の見出しは次の通りです。

 

  • Ⅰ 働き方改革関連法による労働時間規制の概要
     1労働基準法による規制
     (1)労働時間の上限規制
     (2)高度プロフェッショナル制度
     (3)フレックスタイム制の改正
     (4)60時間を超える時間外労働時間に対する特別割増賃金の中小事業者への適用
     2労働安全衛生法による規制
     3労働時間等設定改善法による規制

    Ⅱ 「労働時間」の捉え方
     1手持ち時間
     2研修・教育、委員会活動
     3会社行事
     4自発的残業、持ち帰り残業
     5移動時間
     6定期健康診断
     7所定労働時間外におけるメールチェック
     8小括

    Ⅲ テレワークと「労働時間」
     1働き方改革における雇用型テレワーク
     2実務上の対応
     (1)通常の労働時間における対応
     (2)事業場外みなし労働時間制における対応
     (3)裁量労働時間制における対応
     3小括

    Ⅳ 副業・兼業と「労働時間」
     1働き方改革における副業・兼業
     2実務上の対応

    Ⅴ おわりに

  •  

 

<太田・小幡綜合法律事務所の弁護士解説>

1労働関連法の改正
(1)労働基準法の改正により、従来告示による規制にとどまっていた時間外労働時間の上限が、法律上規制されるようになり、違反に対して懲役刑を含む罰則が設けられました。また中小事業者に対して月60時間を超えた場合の超過部分に対する割増率が50%とされるルールの適用猶予が廃止されました(それまでは、超過部分についても25%とされていた)。さらに、労働安全衛生法に関しては、労働時間の把握方法について、原則として客観的方法によることが義務付けられました。
(2)従来以上に労働時間の把握及び管理を厳格に求められることとなり、違反した場合に事業者が被る不利益も一層重くなったといえます。

2「労働時間」に該当するかの判断
(1)最高裁判所の判例上、労働時間該当性は、「労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まる」とされています。
(2)具体的事案においてこの定義に該当するかを判断するには専門性を要し、難しいこともあります。本記事では、手待ち時間や、研修に出席している時間、移動時間や、あるいは決められた労働時間以外の時間でのメールチェックの時間といった、争いになりやすい類型についてわかりやすく解説されています。また、テレワークや副業・兼業に関する労働時間管理といった応用的な内容にも言及されています。

3紛争化した場合には、しばしば会社内での取扱い実態がどのようなものであったかを主張立証する必要が生じます。会社としての取り扱いを内部ルールとして共有し、「指揮監督下にない」場合を明確にしておく必要性があるでしょう。労働時間管理に綻びがある場合、紛争化した際に甚大な不利益が生じることがあります。実務上重要なトピックに関する解説記事ですので、この機会に是非ご一読ください。

 

(弁護士 菊地 紘介)

 


協力:中央経済社
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