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【ビジネス法務】賃料減額・猶予への法的アドバイスにより倒産回避を

コラム2020/10/19

『ビジネス法務』2020年10月号の「特集3」は「事業再生・倒産回避の弁護士視点」です。新型コロナウィルス感染症の影響により、さまざまな業種の売上が急激に減少しています。売上がなくても、従業員の給料、店舗や事務所の賃料など、いわゆる「固定経費」の支出は必要になります。しかし、入金がなければ、再び入金が戻ってくるまでの間、資金繰りを維持するために資金調達をし、支出を抑制する必要があります。本稿では、筆者が実際に取り扱った顧問先の事例をもとに、弁護士ができる事業継続のアドバイスについて解説がなされています。

 

  • Ⅰ 事案の概要
      1.A社の状況
      2.弁護士アドバイスの視点
    Ⅱ 資金調達
    Ⅲ 支出抑制
      1.賃料
      2.従業員の給料
      3.その他固定経費の抑制
    Ⅳ おわりに


<PLAZA総合法律事務所の弁護士解説>

今般のコロナ禍によって、売上が減少する中でいかに固定費を下げ資金繰りを維持するかは、企業様にとって、大変重要な問題になっています。
本記事では、資金繰りのための資金調達方法や、固定費削減のための賃料及び従業員の給与の削減について紹介しています。
資金調達に関しては、持続化給付金や雇用調整助成金など、入金スケジュールも勘案して、資金繰りを組み立てる方法が紹介されています。
一方で、賃料については、民法609条の類推適用による減額は困難であり、借地借家法32条の適用も疑問が残るとしつつも、改正民法611条の適用の可能性について示唆しており、同条を根拠に賃料減額を行える可能性に言及しています。
この点で言えば、法律の他にも、契約書の条項に、何か賃料減額に利用できそうな条項(不可抗力条項等)を探し出し、主張の引っかかりができれば、賃借人としては、あとは賃貸人との交渉のステージに持ち込める可能性もあるように思います。
本記事では、企業の窮状を賃貸人に伝え、交渉によって賃料を約7割減額及び猶予していただいた事例も紹介しております。
また、本記事では、従業員の給与について、休業が不可抗力に該当すれば、従業員の給与を支払わないで済みますが、不可抗力該当性は個別具体的な事情によるものであり、また今後の従業員のモチベーションも考えると、給与を一切支払わないことは、現実的ではない旨、述べられています。
この点、やはり企業様としては、給与を完全に支払わないことはせず、従前の給与の6割以上は支払おうという姿勢の企業様も多いのではないかと考えます。
本記事では、その他に、税金や社保、公共料金等の経費の抑え方についても紹介されておりますので、是非ともご参考にされてください。
資金繰りは、企業様にとってまさに死活問題そのものといえるほど重要な問題でありますので、本記事をご確認頂ければ幸いです。



 

(弁護士 西尾 順一)

 


協力:中央経済社
公式サイト(http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/)

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