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[法務サービス部・関上健一郎が行く顧問先訪問]第5回  苫小牧市公設地方卸売市場、マルトマ苫小牧卸売株式会社

ニュース2019/12/10

左から、高橋正育総務部長、西田浩一社長、関上(行政書士)、菊地(弁護士)

 

苫小牧を中心に1市7町の水産物を一手に扱う卸売市場

 

関上 御社の概要を改めておしえてください
西田 当社は大正3年設立。昭和28年に北海道初の公設魚菜卸売市場として誕生いたしました。苫小牧を中心とした1市7町の水産物を取り扱っています。社員はパートを入れて32人ほど。現在は水産部門に特化しています。市場の場所は昔は、浜町といってここよりやや西側にありました。かつては苫小牧の中心街だったところ。昭和41年に現在の場所に移転しました。その後、昭和46年に青果部門と分離。翌年現在の社名に変更したという流れになります。取扱量は11,307トン。取扱金額は63億円ほどです。実はわたし、今年の5月、社長に就任しました。それまでは苫小牧市役所に長く勤務していました。市営バスの健全化計画を立案するとか、あちこちの行政改革を断行してきました。

関上 そういう歴史があったのですね。ところで市場ではどのような魚を扱っていますか?
高橋 秋は9月から始まる秋サケ。10月からはスケソウダラとシシャモです。ホッキ貝(姥貝(ウバガイ))に関しては5月〜6月は禁漁の時期です。それ以外は通年で漁があります。同じ場所で獲らないようにして資源を保護しています。“田畑”のように区分けをしています。ホッキ貝は約700トンほどの水揚げがあり、これは18年連続水揚げ日本一です。でも、ちょっとずつ水揚げが下がっているのが気がかりです。ピーク時には1,000トンくらいありましたから。春はカレイです。ホッキの禁漁時にカレイ網を刺します。マツカワ(松皮)ガレイとか、マガレイとか。カレイだけでもこの前浜で17種類くらい獲れます。年間で一番水揚げ量が多いのはスケソウダラです。ただ全国的に魚が獲れなくなってきている印象はあります。大衆魚といわれる、サケ・サンマ・イカ。これらが近年不漁なのです。対策としては養殖になるのですが、北海道ではなかなか進まずにいます。期待している魚種としては、ホッキとマツカワ。マツカワあたりは本州方面に、もっと知名度を上げていかなければならないと思っています。この魚は地域一体となって放流活動もしていることから、最近は比較的安定して獲れていますが、一時は、幻の魚と言われていました。

菊地 わたし、釣り好きなんです。時間が取れれば、小樽とかでやっています。これだけの種類が揚がる港とは驚きです。知りませんでした。豊かな海なのですね。

 

 

関上 当事務所とのつきあいは、7〜8年くらいになりますかね。前社長と太田代表とが、JCを通じての知り合いだったと聞いています。

高橋 法律に関することは、全部、ことあるごとに相談しています。労務といった就労規則や契約書のことも含め、あらゆることです。今、お願いしているのは、水産加工製造品の契約書。太田・小幡事務所は、弁護士さんだけではなく、社労士さんやいろんな資格を持った人たちが周囲にいるということが強みですね。ヨコのつながりがあるから、話が早いです。こういうメリットを十二分に感じています。先日の水産加工製造品に関して、「パッケージの商標登録をしていない」ということをご指摘いただきました。そこでグループの「HK・イノベーションプラザ」に入居している弁理士さんを紹介してもらいました。いざ、商標登録するといっても、どこに相談すればいいかすらわからない。関上さん にお話ししましたら、「同じビルに入っていますから」と(笑)。すぐにお願いしました。

菊地 弁護士の立場としては、公平ながら、思いがけないところで落とし穴がないように配慮しています。落とし穴に関しては法務的な観点もありますが、実務面というか、現場での経験を聞きながら、法的な観点とすり合わせて、つくりあげていきます。会社に伺うは、現場でどうしているのかを知るためです。

高橋 例えば、今回、会社法の改正がありそうだよといった情報も提供していただいています。顧問契約をしていることから、気楽に相談している部分もあります。太田・小幡綜合法律事務所は当社にとって「外部の法務部」というような感じですね。

菊地 ありがたいお言葉です。問題が深くなる前にお話をいただいたほうが、対策の選択肢が増えるのです。なにかきざしがあった場合は遠慮せずに、気楽にお話いただいたほうがこちらとしてもありがたいと思っています。

高橋 当社は創業してからは長いのですが、法的なことなどは、後回しにしてきました。しかし、今は法律のことはとても重要ですし、法改正はしょっちゅうあります。お互いに情報交換しながら、法に対応している感じです。

関上 具体的にはどのような分野でしたか?
高橋 社員のトラブルの対処、社員向けのコンプライアンス研修、株主総会の対応などをお願いしています。そういえば、社員向けの研修はまた来年、やって頂きたいと思っています。当社の社内規定に基づいて法令を遵守しましょうという内容。実際の裁判例を紹介して説明してくれたりして、わかりやすく社員にも好評なんです。「ささいなことでも、大ごとになってしまって会社を去らなければならなくなる」といった怖い事例なども紹介してくれます。実際の裁判の話ってテレビドラマだけの世界でしか知らないじゃないですか(笑)。リアルな話は興味深いものがあります。毎年のようにやって頂いて、もう3回目になります。社員には言い続けていないと、戻るというか、意識が低くなってします。だから毎年開催することで浸透させたいと思っています。

菊地 ハラスメントに関して善悪の判断ラインが難しいですね。年配の方だと「昔はこんなの当たり前だろう」とか。でも、今の世の中ではダメになってきている。違法と判断される。現在の水準に合わせたコンプライアンスの説明が必要になってきていると思っています。

西田 ヒヤリハットという「ハインリッヒの法則」が効いていないことがあります。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するという法則。注意喚起する前に、いきなり事故っちゃったとなる。小さなタネの段階で事故などを食い止められるしくみが必要かと思います。こういったことも、今後の研修の項目として盛り込んでいただければありがたいです。

 

 

関上 承知いたしました。今日は菊地弁護士が同席しているので、大丈夫ですね。いつもは、打ち合わせについては、だいたいは私に連絡がきます。その上で、「この件については弁護士に、あの件については誰々に」というようにわたしがコーディネートしています。そのあとは直接の担当がついて進めていくような感じです。

高橋 卸売業界はいろんな改革が叫ばれています。大手の流通小売業者などは、もう卸を通さないやり方になっています。規制緩和で本州などでは、漁師と小売がダイレクトに取引している時代です。お互い、メリットがあるからでしょう。でも、そんな中で魚の卸として生き残っていくためにはどうしたらいいのか。ここは苫小牧市を中心とした人口約20万人の台所です。継続していかねばなりません。今後、市場法改正でやめるところも出てくるでしょう。再編が始まったりすると思われます。いま、一番の大改革の時なのです。

関上 今後の抱負をお聞かせください
西田 このエリアも人口が減少しています。食べる量も減ってきている。ではどうするか。地方よりは大きな都市。北海道よりは本州。日本よりはアジアに。視野を広げることが大切だと感じています。今回の法改正によって、よりこういった地域に対する攻めを展開する必要を感じています。目線をあげて遠くを見ていかなくてはならない。北海道の魚は本州では人気です。マルトマブランドを確立して、北海道のブランドイメージを売っていきたいと思っています。一方で、改革の流れに沿って、業務の内容も改善していかなくてはなりません。その上で、必要だと思われる組織にしていきたいと考えています。ご協力をたまわれば幸いです。

関上 今日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

(本文敬称略)

※高橋部長の高は本来は髙(はしご高)です

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