本年1月1日から改正された相続税法が施行されましたが、今回は基礎控除額の減額や税率区分の変更など増税の改正となりました。そのため、これまでは相続税がかからなかった方がこの改正により課税されるようになり、その相談が増加しています。

相続税が課税となる方で、ご注意していただきたいことがあります。それは、「遺産分割協議が終了していなくても、相続税は納めなければならない」ということです。遺産分割協議が成立していなければ、遺産も取得していないし、取得する金額も決まっていないので相続税申告が出来ないと思うかもしれませんが、これは間違いです。相続税申告には期限が決まっており、相続開始時から10か月以内に申告しなければならず、この期限を延長することはできません。では、遺産分割協議が成立していない場合の相続税の申告はどうするのかといいますと、一旦、遺産を相続人それぞれが法定相続分に応じた割合で遺産を取得したものとして、相続税の申告と納税をしなければなりません。

遺産分割協議が成立し、預金が解約され、そのお金で相続税納税資金に充てられれば問題は無いのですが、遺産分割協議が成立していなければ預金解約も出来ず、納税資金としてあてにしていたお金が入ってこないことになります。つまり、遺産から納税資金が用意できず、ご自身の自己資金で納税しなければならないのです。納税額が少額であれば、何とか自己資金で用意出来るかもしれませんが、高額となった場合には、納税資金の確保が問題になることが多いです。実際に、私が経験した案件では、ご自宅を担保に銀行からお金を借りて用意した方や老後の資金として預金していた銀行預金をすべて解約して用意した方など、大変なご苦労をされた方がいらっしゃいました。

もしも、相続税を納めるような相続問題で、遺産分割協議が遅れていましたら、相続税の申告納付については十分ご注意してください!

 

 

(行政書士 関上 健一郎)